TATSUYA HORIKAWA
July 2, 2026·AI·4 min read

Claude Code に『自分ルール』を覚えさせて、仕事の質を安定させる方法

AIの出力品質が日によってブレるのは、AIのせいではなく指示のせい。CLAUDE.md と永続メモリに自分の仕事の流儀を書き溜めたら、毎回のプロンプトが一行で済むようになった話。

Claude Code に『自分ルール』を覚えさせて、仕事の質を安定させる方法

Claude Code を毎日の業務で使い倒している。コードを書くだけではなく、提案書の生成、 広告レポートの集計、クライアントワークの記録まで、ほぼすべての作業がこの上で回っている。

使い始めた頃に一番ストレスだったのは、出力の品質が日によってブレることだった。 ある日は完璧なスライドを作るのに、別の日は余白のない詰め詰めの資料が出てくる。 同じAIなのに、なぜか。

答えは単純で、ブレていたのはAIではなく自分の指示だった。丁寧に指示した日は良いものが出て、 雑に投げた日は雑なものが返ってくる。当たり前の話だ。

そこでやったのが、指示を毎回書くのをやめて、「自分ルール」を設定ファイルに書き溜めることだった。

CLAUDE.md は「自分の仕事の流儀」を書く場所

Claude Code には ~/.claude/CLAUDE.md というグローバル設定があり、 ここに書いた内容はすべてのセッションで最初から読み込まれる。 公式には「コーディング規約を書く場所」と説明されがちだが、実際に効くのは もっと業務寄りのルールだ。私の CLAUDE.md には、例えばこんなことが書いてある。

  • 提案書のファイル名は YYYYMMDD_提案名.pdf で統一する
  • 最終成果物はPDFを正とする(pptx / html は編集ソース扱い)
  • 日本語CSVはまず cp932 で読む。ダメなら utf-8-sigutf-8 の順
  • 集計結果は元データを破壊せず、別ファイルか別シートに出す
  • 数値には必ず単位(円 / 件 / %)と期間を付ける。「売上 1,234」だけの出力は禁止

どれも一度は口頭(プロンプト)で指示したことだ。それをその場限りにせず、 「二度目に言いたくなったらルール化する」 を徹底した。 以来、雑に「このCSV集計して」と投げても、文字コードで転ばず、単位付きの表が別ファイルで出てくる。

「プレミアムに」ではなく、チェックリストで渡す

一番効果があったのは、デザイン品質の定義だった。

AIに「高品質でプレミアムなデザインにして」と言っても、出てくるものは安定しない。 「プレミアム」の解釈が毎回変わるからだ。そこで形容詞を捨てて、 検証可能なチェックリストに落とした。

  • 余白は要素の周囲に最低16px、スライドは最低40px
  • 1資料内のフォントは2種類まで(見出し / 本文)
  • 本文の行間は1.6〜1.8、1行は40〜60字以内
  • 配色は3色以内、文字と背景のコントラスト比4.5:1以上
  • 強調は太字か色のどちらか片方だけ
  • 1スライド=1メッセージ、CTAは1つ

ポイントは、全項目が YES/NOで機械的に判定できること。 「余白を十分に」ではなく「最低16px」。「読みやすい行間」ではなく「1.6〜1.8」。 AIは曖昧な美意識は再現できないが、数値化された制約は驚くほど正確に守る。

これは人間のデザイナーに依頼するときの言語化訓練にもなった。 自分が「良い」と感じるデザインの条件を数値で書き出す作業そのものに価値がある。

失敗から生まれたルールこそ資産

ルールの中でも特に効いているのは、失敗の再発防止として書いたものだ。

例えば「build が通った=完了、ではない。完了報告の前に対象フローを1回実際に動かす」 というルールがある。これは、AIが「実装完了しました!」と report してきたのに 実際は動かなかった、という事故を何度か経験して追加した。

他にも「ファイル変更前に既存コードを必ず読む」「既存資料を改変するときは 元ファイルを残してサフィックスを付ける」など、禁止事項のセクションには 過去の冷や汗がそのまま並んでいる。

AIとの協業ログは、そのまま自分の業務マニュアルになる。 これが運用して半年で得た一番大きな気づきかもしれない。

永続メモリで「プロジェクトの文脈」も持ち越す

ルールとは別に、Claude Code にはセッションをまたいで記憶を持ち越す仕組みがある。 私はここにプロジェクトごとの文脈を溜めている。

  • このプロジェクトのデプロイ手順はどれか(ソースはどっちで、ビルド出力はどっちか)
  • どのAPIトークンが読み取り専用で、どれが書き込み可能か
  • 過去に踏んだ罠と、その回避方法

新しいセッションを開いた瞬間に、AIが「先週の続き」から話せる状態になっている。 毎回ゼロから説明していた頃と比べると、立ち上がりのオーバーヘッドがほぼ消えた。

まとめ:AIの品質管理は「指示の資産化」

  • 二度同じ指示をしたくなったら、CLAUDE.md にルールとして書く
  • 形容詞(プレミアム・いい感じ)は数値のチェックリストに変換する
  • 失敗したら、その再発防止策をルールに追加する
  • プロジェクト文脈はメモリに持たせて、セッションの立ち上がりをゼロにする

AIの出力品質は、モデルの性能よりも指示の設計で決まる部分が大きい。 そして指示は、書き溜めれば複利で効いてくる資産になる。 毎回頑張ってプロンプトを書いている人ほど、一度この「ルール化」を試してみてほしい。

Thanks for reading.

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